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ネコの運ぶ夢
第10章 海辺のネコ
〜The cat standing in the sunset〜

7月17日の水曜日。俺は、夏休みを消化するために休暇を取った。

2週間前には休暇の予定を入れていたのだが、本当に、何気なく、他意はなく、音子に「休みをとったのだが、どこかに・・・」と問いかけたところ、皆まで言う前に「お散歩!!」と目を輝かせた音子の食い気味な主張に気圧されることになった。

以来、当日までの間、ほぼ毎日のように着ていく服の話や、行く場所の話、何をするか、どうするかなど、楽しそうに話す音子に付き合う羽目になった。

そんなこんなで迎えた17日当日。

梅雨が明けたのだろうか、天気は快晴だ。お散歩、と言っていたが、まさか歩いてどこかに行くわけにもいかないので、レンタカーを借りることにした。
うちは余裕がないので、車を所有していない。

どこに行くか、だが、音子はあれこれ調べ、インターネットも駆使し、考えに考えた結果、
「海が見たい」
というシンプルな要求にたどり着いたようだったので、鎌倉を行き先に定めた。

買い物に行ったりなどはあったが、こうして音子と遠出をするのは初めてだ。音子ほどではないが、俺もなんだか楽しみだったりする。

少しだけ早起きをし、二人でおにぎりを作った。音子はサバが好きだったので、サバ缶でおにぎりを、俺は普通に鮭と昆布だ。ついでに音子が好きな卵焼きも弁当箱に詰める。

先に出て駅前のレンタカー屋で車を借りて家の前につけようとしたが、音子が「音子も一緒に行きます!」と言うので、結局弁当を持って二人でレンタカー屋まで行くことにした。

俺はオフホワイトのチノパンに薄いカーキ色のチェックの半袖という対して変わりばえしない格好。
音子は、お気に入りの白いつば広帽に茶色のワンピースだ。しっかりとこの間買った日傘と、スマホポーチを装備している。ちなみに、スマホポーチには万が一のために千円札が一枚入っている。

レンタカーは一番小さい軽自動車だ。音子には「かわいい!」と評判だったが、本当はもう少しランクが上の車のほうが乗り心地も良かっただろうにと思う。まあ、この辺は財政と相談した結果だ。

東京から鎌倉までは車で下道で走っても2時間弱だ。急ぐ旅でもあるまいしと、高速を使わないで行くことにした。正直、普段運転しない身としては、首都高は走りたくない、というのもあった。
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