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ネコの運ぶ夢
第10章 海辺のネコ
☆☆☆
「あっちに日陰がある。おにぎりを食おう」
季節が外れているせいか、あじさい寺は人出もまばらだった。ちょうどよい日陰を見つけたので、俺たちは腰を下ろして弁当を食べることにした。
「市ノ瀬さん。音子は、楽しいです」
「ああ」
「お天気良くて、お花きれいで、海は大きくて・・・市ノ瀬さんがいて」
うぐ・・・不意打ちを食らって、俺はおにぎりを喉につまらせそうになる。慌てて水筒のお茶を飲む。
げほげほ
びっくりはしたが、前みたいに否定する気にはなれない。
俺も、同じように思っていた。決して言うことはないが、音子が横にいて、幸せだと思ってしまっている。
「また・・・来れるかな・・・」
音子はおにぎりをかじりながら呟いた。
「ああ、来れるさ、意外と近かったしな」
なんの気なしに交わす会話が、とても温かく感じた。
「あっちに日陰がある。おにぎりを食おう」
季節が外れているせいか、あじさい寺は人出もまばらだった。ちょうどよい日陰を見つけたので、俺たちは腰を下ろして弁当を食べることにした。
「市ノ瀬さん。音子は、楽しいです」
「ああ」
「お天気良くて、お花きれいで、海は大きくて・・・市ノ瀬さんがいて」
うぐ・・・不意打ちを食らって、俺はおにぎりを喉につまらせそうになる。慌てて水筒のお茶を飲む。
げほげほ
びっくりはしたが、前みたいに否定する気にはなれない。
俺も、同じように思っていた。決して言うことはないが、音子が横にいて、幸せだと思ってしまっている。
「また・・・来れるかな・・・」
音子はおにぎりをかじりながら呟いた。
「ああ、来れるさ、意外と近かったしな」
なんの気なしに交わす会話が、とても温かく感じた。