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第22章 大阪暮らし

大阪に引っ越した。

縁もゆかりもない大阪という街。高校の修学旅行で宿泊した街。

お腹の中の優太と、初めて宿泊した街。

奈良・大阪・京都というありきたりの修学旅行。

宿泊したのは大阪だった。大阪城が見える某ホテル。

丁度、大安だったからか、奈良観光を終えて、バスでホテルについたとき、式が終わって二次会という雰囲気の人たちが多数いた。

新郎新婦の話題が聞こえるホテルのロビー。

「早くお子さんの顔が見たいわ」

「ハネムーンベイビーとかあるかもしれませんね」

などと、露骨な会話をすることに驚いたけど、これが大阪なのかもしれないって思った。何事も本音。世間体とか気にしないでざっくばらん。

結婚もしないで、妊娠している私には取っては、この会話は皮肉でしかなったけど。

でも、私に大阪の街は合っていた。裏でコソコソ人の悪口を言わず、正面から言い切るくらいの人たちの住む街だったから。

部屋を探す時も、不動産会社の営業の人も、

「母一人、子一人ですね。あ、シングルマザーだったら、こことか良いですよ。シングルマザーばかりのアパート。家賃もシングルマザー向けでこの金額。24時間開いているスーパーも近くにあるし、人通りも多いけど、その方が安心ですよ。それに、この家賃でオートロックがついているし、お買い得。もし、気に入ったら、大家さんに、事情を説明して、家賃負けてもらいまっせ」

と、よく話す人で、値段の交渉までしてくれて、

「ここの大家さんはええ人やから。なんでも気軽に相談したらいいわ。セックス以外やったら、なんでも相談に乗ってくれて、便宜、図ってくれるから」

と、大家さんの人柄まで教えてくれた。実際、住んでみると、そんな感じの大家さん。なんでも相談に乗ってくれて、便宜を図ってくれた。本当に、セックス以外という感じだったわ。