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ふみふみ
第19章 病気

そう言うと七海ちゃんは泪を流した。
そして、アタシが眠る段ボールベッドにやって来た。

「フミ、お母さんがもう余り長くは生きられないのよ…」

そう言うとアタシの頭を撫でてくれる。
アタシは嬉しくて鳴いた。

七海ちゃんは尚も話す。

「フミ、あなたもそうなの?」

アタシにはそれを聞かれても自分では分からなかった。
後、どれくらい生きられるんだろう。

「フミ、…フミの最後もちゃんと看取るからね、好きなだけ生きていいのよ…」

アタシはこれを聞くと嬉しくなった。
七海ちゃんは、アタシの最後をちゃんと看取ってくれるのだ。

アタシはちょっと鳴いた。
七海ちゃんの哀しみは計り知れないと思う。

綾子の最後を看取り、アタシの最後も看取るのだ。
それは、本当に辛くて哀しいことだと思う。

でも、アタシは頑張っていた。
綾子も頑張っていたのだ。

七海ちゃんは綾子の看病をしながら、アタシの面倒も見てくれた。
工藤はそんな七海ちゃんを支えていたのだ。

今の七海ちゃんに必要なのは優しい工藤の気持ちだった。
それだけで、頑張れると感じていたのだ。

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