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ふみふみ
第20章 虹の橋
その白くて丸い光がアタシにこう言うのだ。
「フミ、迎えにきました…」
アタシはその言葉を聞くと驚いた。
だって、白くて丸い光がしゃべったのだ。
すると、次の瞬間、アタシの身体はふわっと浮いてその丸い光の中に入ってゆく。
その光はとても暖かくて優しい光だった。
ママのお腹の中にいる時の様だと思った。
それくらいに、とても気持ち良くて優しかったのだ。
「フミ、いきますよ…」
アタシはどこに行くのかと思っていた。
アタシは光に包まれて寝室のカーテンを通り抜けて夜空の星の中に入ってゆく。
そこは大きな満月と宝石箱を散りばめた様に光り輝く星々でいっぱいだった。
下を見ると七海ちゃんのアパートが小さく見えた。
アタシはもっと大きくて暖かな光の中へと入ってゆく。
そこには今はいない綾子の姿が見えたのだ。
綾子は優しくアタシを抱き締めてくれた。
「フミ、今日からあなたはここで暮らすのよ…」
綾子の隣にはタケシの姿もあった。
アタシはとても気持ち良くて綾子に抱かれながら喉を鳴らした。
タケシも優しく頭を撫でてくれる。
アタシは身体がとても軽い事に気づいた。
身体の調子がとても良くなっているのが分かったのだ。