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ふみふみ
第21章 エピローグ
「モモ、迎えに来たよ…」
モモはちょっとビックリしているみたいだった。
だって、白くて明るい光が話しかけてくるんだもの。
「さぁ、モモ、一緒にいこうよ…」
モモはゴロゴロと喉を鳴らしている。
アタシはモモの身体をフワリと持ち上げるとカーテンを通り抜け夜空に飛んでいった。
夜空には満月が輝き宝石箱を散りばめた様な星々が光輝いて見えた。
そして、大きな白い光にモモとアタシは包まれた。
そこは、ママのお腹の中にいるみたいに気持ち良くて暖かだった。
アタシはモモにこう言った。
「モモ、これからここでアタシと一緒に暮らすんだよ…」
モモはゴロゴロと喉を鳴らして見せる。
そこには七海ちゃんの母、綾子や父、タケシの姿もあった。
アタシたちは綾子たちに抱っこされて虹の橋を渡った。
モモも七海ちゃんに拾われて幸せだったに違いない。
モモは地味だったけれど、七海ちゃんや工藤の事が好きだった。
アタシやモモはとても幸せな猫生だったと思っている。
もうアタシとモモは離れる事はないだろう。
こうして永遠に一緒に虹の橋の向こうで暮らすのだ。
モモがいなくなったら七海ちゃんは哀しむに違いなかった。
でも、モモも腎臓病で苦しかったのだ。
アタシが迎えに来て良かったのだと思う。