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ふみふみ
第21章 エピローグ

モモもアタシと同じように自然に任せようとしているみたいだった。
もう17歳なのだ。

余計な延命治療は苦しませるだけに過ぎないと七海ちゃんは思っている様だった。
それに、延命治療は人間のある意味、エゴだと思っていたらしい。

人間だっていつかは必ず死ぬのだ。
ましてや、寿命の短い猫などは年齢が行けば自然と死ぬだろう。

七海ちゃんは今回もモモがスッポリと収まる様な段ボール箱を寝室に置いてくれた。
そこに、ふかふかのタオルのようなものを敷いてくれる。

モモもアタシと同じくその箱の中に入って眠っている。
七海ちゃんは今回もご飯やトイレを寝室に運んでくれた。

モモはアタシの匂いが残る寝室から出ようとはしなかった。
それくらいにアタシのことが好きだったのだろう。

アタシもモモの事が好きだった。
小さなモモが今はおばあちゃんになっている。

アタシはモモを迎えに行かなくてはいけないと思っていた。
日に日にモモは衰弱してゆく。

そんな1月の寒い夜の事…。
モモはいつもの様に箱に入って眠っていた。

アタシはモモのところにフワフワと漂いながら近づいてゆく。
七海ちゃんや工藤にはアタシの姿は見えない。

それに、二人は深い眠りの森に入っていた。
アタシはモモの目の前に来た。

アタシは白くて明るい光の塊になっていた。
それを見て驚くモモ。

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