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ふみふみ
第4章 ケージ
翌朝、七海ちゃんはお仕事だった。
朝早くから起きて朝ごはんを作り、食べていた。

アタシも七海ちゃんと一緒にパウチご飯を食べている。
今朝のパウチご飯は鰹節の味のするご飯だった。

七海ちゃんは小さな卓上鏡を見てメイクをしていた。
それが、終わると通勤用の洋服に着替えた。

今日も、ジーンズに薄手のパーカーだった。
七海ちゃんの会社には制服があったので、通勤の服は何でも良かったのだ。

ジーンズにパーカーは七海ちゃんの好きな格好だった。
とても楽な服装だったからだろう。

バッグを持ち出掛けようとした時だった。
七海ちゃんはアタシを抱き上げると、ケージに押し込んだ。

ケージの扉をパタンと閉めるとカチャっと鍵を掛ける。
アタシは出してほしくて鳴いた。

「(出してー、出してー!!)」

でも、七海ちゃんはこういう。

「今日はお仕事だから、大人しくケージに入ってて頂戴ね、帰ったら出してあげるわ…」

そういうと、七海ちゃんは玄関に行き扉を開けると出て行った。
扉がパタンと言ってしまってしまった。

アタシは七海ちゃんの部屋でひとりぼっちになった。
今までは、ママや兄妹たちと一緒だったけれど、今はひとりぼっちだ。

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