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ふみふみ
第4章 ケージ

アタシはどうにかして、このケージから出られないかと思い色々と試してみた。
ケージの柵の隙間から手を伸ばしてみたり、身体で扉を押してみたりした。

でも、ケージはびくともしなかった。
アタシは悲しくて鳴いていた。

暫く、鳴いていたら、いつの間にか鳴き疲れて眠ってしまった様だった。


気が付くと、陽も傾いて窓の外が暗くなっていた。
アタシはちょっと怖くなってまた鳴いた。

暫く、鳴いていたと思う。
すると、玄関のドアの鍵がカチャと言い外れる音がした。

扉が開くと、そこには七海ちゃんが立っていたのだ。

「おチビちゃん、ただいま~」

アタシは七海ちゃんにこう言った。

「(七海ちゃん、おかえり…)」

七海ちゃんはバッグを置くと直ぐにアタシのところにやって来る。
アタシは出してほしくてまた激しく鳴いた。

「(早く、ここから出してー!!)」

アタシは激しく鳴いた。
その声は外に聞こえるくらいに大きかった。

「分かったわ、おチビちゃん、今出すから…」

そう言うと、ケージの扉を開けてくれる。
アタシは素早くケージの外に出た。

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