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ふみふみ
第5章 命名
季節は移ろい6月のジメジメした梅雨を迎えていた。
アタシは生後3か月になった。

人間の年齢にすると5歳児になる。
ちょっと生意気な感じになって来た。

だけれど、まだアタシの名前は決まっていなかった。
それは、七海ちゃんがとても悩んでいたからだった。

アタシは今日も部屋中をダダダダっと走り回っている。
その姿を七海ちゃんは見ていた。

今日は、仕事は休みで彼氏の智也が七海ちゃんの家に来ていた。
二人がこんな会話をしていた。

「智也くん、おチビちゃんの名前だけどね…」
「うん、どうしたの?」

「なかなか決まらないのよ…」
「なぜ?タマとかミケとかにすればいいじゃん?」

アタシはそれを聞いてちょっと智也の事が嫌いになった。
タマとかミケとかの名前にして欲しくなかったからだ。

「えー?そんな名前イヤだわ…」
「じゃ、どんな名前にするのさ?」

そう言われると七海ちゃんは困っている様だった。
確かに、アタシはお転婆で気が強くて、暴れん坊の男の子みたいだった。

でも、少しは女の子らしい名前を付けて欲しいと思っていた。
タマとかミケは絶対にイヤだったのだ。

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