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ふみふみ
第5章 命名
そんな、アタシの気持ちを知っていたのだろうか。
七海ちゃんは名前を考えてくれていた様だった。
アタシの身体を両手で持ち上げて顔を覗き込んでくる。
「そうねぇ、サクラちゃんとか小春ちゃんとかは無理っぽいわね…」
そう言うと、アタシを床に下ろした。
それを聞いた智也が笑いながらこう言ってくる。
「七海ちゃん、このおチビちゃんにサクラとか小春は向いてないよ…」
「そうよねぇ、どうしたらいいかしら…」
「今のままのおチビちゃんでいんじゃない?」
「でも、いつまでもおチビちゃんじゃないわ…」
「確かにこれからどんどん大きくなるよなぁ…」
二人共頭を抱えてしまった。
名無しのおチビちゃんでアタシはいいのかな。
そんなことを思っていた。
それなら、それでも構わないか。
そんな二人の気持ちをよそにアタシは部屋の中を走り回っていた。
「本当に、コイツ、元気がいいなぁ…」
ちょっと呆れたように智也が言ってくる。
「そうでしょう?本当にお転婆なのよ…」
そう言うと七海ちゃんはため息をついた。
そんなことお構いなしにアタシは部屋の中を走り回る。