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ふみふみ
第8章 初雪

七海ちゃんは智也にそう言った。
アタシは余りの冷たさで、身体がガタガタと震えるのを感じたのだ。

「(七海ちゃーん…)」

アタシはそう言って鳴いたのだ。
すると、七海ちゃんは慌ててアタシをハマった雪の中から助け出してくれる。

その姿を見て智也は笑うのだ。
何てことをするのだろうとアタシは思っていた。

これはれっきとした動物虐待ではないか。
そう思い腹が立って仕方がなかった。

七海ちゃんに抱っこをされて、智也の横を通り過ぎようとした時、アタシは智也にシャー!!と威嚇して、手を伸ばして爪を出し引っ掻いて見せた。

智也は身をよじり腕に手を当てて痛みに耐えている。
アタシは“ざまあみろ”と思っていた。

アタシは雪と言うもので身体がずぶ濡れになってしまった。
この雪と言うものは溶けると水になるらしい。

アタシはバスタオルで身体を拭いてもらった。
そうしたら、少し寒さが収まった様に感じた。

その後、アタシはコタツに入れられた。
そこでようやくホッとできたのだ。

アタシは二度とこの雪と言うものに触れたくないと思った。
雪の寒さはハンパではなかったのだ。

智也は七海ちゃんにこっぴどく叱られたのは言うまでもなかった。

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