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ふみふみ
第8章 初雪
アタシは何が積もっているのかと思っていた。
「智也くん、どれくらいの積もり具合なの?」
「そうだなぁ、膝くらいの高さかな?」
「えー?マジでー?」
「うん、マジで…」
そう言うと七海ちゃんはとても寒そうにするのだ。
アタシは二人の会話をヌクヌクとしながら聞いていた。
すると、次の瞬間、智也がコタツの布団を捲ってアタシを見た。
そして、アタシをコタツから引っ張り出したのだ。
「えー?智也くん、フミに何するの?」
そう言われると智也はニヤリと笑ってこう言うのだ。
「いや、フミに見せてやりたくてさ…」
そう言うと智也はアタシを抱き締めて玄関へと向かう。
そして、玄関を開けて外に出た。
そこには、真っ白な銀世界が広がっていたのだ。
「フミ、これが雪ってヤツだよ…」
そう言うと、アタシの身体をポンとその雪の上に投げるのだ。
アタシは雪と言うものを初めて見た。
その雪の中に“ズボっ”とハマって落ちてしまう。
その雪の冷たさにアタシは震えた。
「智也くん、フミにそんなことしないでー!!」