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ふみふみ
第13章 子猫

子猫を見てこういう。

「七海ちゃん、この子どうしたの?」
「うん、真司が連れて来たのよ」

「で、飼うの?」
「うん、飼いたいんだけど」

「父さんに聞いてみないとなぁ…」

そうなのだ。
智也の父、聡一に聞いてみないと分からなかったのだ。

後日、聡一に相談してみようと思った七海ちゃんだった。
この子猫と一緒に暮らせたらいいな、と七海ちゃんは思っていた。

その子猫が家に来た頃だった。
七海ちゃんの母、綾子から電話が来たのだ。

「お母さん、どうしたの?」
「実はね、父さんが食道がんになったらしいのよ…」

「え?本当に?真司は何も言ってなかったわ…」

七海ちゃんは非常に驚いている様子だった。

「真司にはまだ知らせてなかったから。七海に先に知らせようと思って電話したのよ」
「で、お父さんの具合はどんななの?」

「今の所は大丈夫なんだけど、入院することになったの…」
「え?本当に?」

七海ちゃんは言葉を失ってしまった。

「でも、手術をすることになってるから大丈夫よ…」

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