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逢いたいから~心で告げた百万回の〝好き〟~
第4章 あなたと逢えたから
翌日の昼過ぎ、萌は例の写真館の前に佇んでいた。その日は朝から生憎の曇り空だった。鈍色の雲が低く空をいっぱいに覆っている。
今にも泣き出しそうな空を見ていると、こちらの心まで憂鬱になってくる。灰色に塗り込められた風景の中で、写真館は相変わらずひっそりと建っていた。緑のアイビーが眼に滲みる。ここ二、三日は雨が降っていなかったせいか、舗道傍の紫陽花は元気がなく萎れていた。
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