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逢いたいから~心で告げた百万回の〝好き〟~
第2章 平凡な主婦が考えることとは。
恵まれてはいても、何も残っていない人生。子どもたちはいつか巣立ち、萌の傍からいなくなってしまう。一体、萌がこの世に生まれてきて成し遂げたことは何なのか。平凡は悪いことではない。むしろ、何も憂慮すべきことが起こらず、穏やかな日常が続いてゆくことこそが望ましい。頭では判っていても、心のどこかで〝そんなのはごめんだ〟と何かが起こるのを期待している自分がいる。
だが、今年四十歳になった萌に、今更、人生を覆すほどの出来事が起こりうるはずもないのだ。
だが、今年四十歳になった萌に、今更、人生を覆すほどの出来事が起こりうるはずもないのだ。