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トライ アゲイン
第5章 安祐美、二度目の高校生活
「○○高校?お母さん、冗談は抜きにしましょうよ。
安祐美…あ、いや安祐美さんの成績なら○△大学附属高校さえ楽勝だと思いますよ」
岡山先生は安祐美の成績表を広げながら
進学校として有名な高校を指定してきた。
「いやよ!私は絶対に○○高校に行きたいのよ!」
そのように反発してみたものの
母の由美子と岡山先生に説得されて
訳が分からぬうちに志望校は○△大付属高校に決められてしまった。
『また一つ人生が変わる…』
思えば岡山先生に抱かれたあの日から
なす術もなく人生が大きく横道に逸れている気がした。
『いいわ!こうなったらトコトン別の人生を歩んでやるんだから!』
どうせ、別の道を選ぼうとも
おそらく25歳で人生が終わるのだろうから
デジャブのような人生を繰り返すよりも
新たな経験に胸をときめかせてみたいと思い始めた。
思いのほか、安祐美がすんなりと薦める志望校を受け入れてくれた事で岡山は肩の荷が降りたと思った。
自分の受け持つクラスから一人だけでも一流高校に進学させることが校長からのミッションだったからだ。
『これで校長にも顔を売る事が出来たし
将来的には教頭さえも夢ではないな』
肩の荷が降りたのと同時に
下半身がむずむずし始めた。
ここのところ、進路指導に忙しくて安祐美を抱いていなかったのでスケベ心の虫が疼いて仕方なかったのだ。
「お母さん、これで進路指導を終わります
安祐美…あ、いや、安祐美さんにはこの後、卒業写真の実行委員会があるので帰りは遅くなりますが心配なさらないでください。
ちゃんと僕が責任をもってご自宅までお送りしますので」
「まあ!そうなんですか?
じゃあ、ちょうど良かったわ、私もこの後久しぶりにヨガ教室を覗こうかなと思っていたんです」
母親の由美子はルンルン気分で安祐美を残して校門を出ていった。