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12歳年下の彼のお誕生日の話
第9章 港斗君の誕生日
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事後の心地の良い倦怠感と
満たされた…気分で…、
彼の身体に自分の身体を預ける。
真っ白のシーツの掛かった
ベッドの中で…、彼と私は
まったりとしながら過ごしていた。
LINEの通知音がして、
また…通知音がして…、
そして…また…聞こえて来て。
さっきから彼のスマートフォンから
LINEの通知音が鳴りやまない。
「あっ…、もしかして…
日付…変わっちゃってる…?
港斗君…の、お誕生日の
お祝いのメッセージじゃないかな?」
そう…私が言って居る間にも
また通知音が…鳴っていて。
でも…、こっちがおたおめの
お祝いのメッセージが来てるよって
彼に言っているのに、”今日”
2024年の7月10日の
主役である彼は、…自分の
鳴りっぱなしのスマートフォンに
自分の手を伸ばす素振りも見せないままだ。
「ねぇ、さっきからずっと
通知音鳴ってるよ?いいの?」
『…いいんですよ…、そっちは…。
だって…僕…まだ…巴さんから
おめでとうって言って貰ってませんよ?
巴さんからのおめでとうが、
1番じゃないと…、
ダメに決まってますからね?』
彼が…通知音が鳴っている
スマートフォンを放置してるのは
私からのおめでとう待ちだったからで。
「港斗…君、25歳…の
お誕生日…おめでとう…」
『はい、ありがとうございます。
今から、巴さんと僕は
11歳違いですよ?』
「私の誕生日が…来るまでの…
期間限定…だけどね…?あ、
ちょっと…そのままそこで待ってて。
いつ渡すか悩んでたんだけど、
お誕生日のプレゼント…今、渡すね?」
そう言って一緒に潜り込んでいた
ベッドから巴がバスローブを
ささっと羽織って抜け出すと。
自分の手で前を押さえたままで
リビングの方へ移動して、
自分のキャリバックの中から
用意していた彼へのプレゼントを
取り出して、キャリーバックを閉めた。
「はい、これ…。お誕生日の
プレゼントね。気に入るか…どうか
わからないんだけど、おめでとう。
こんな…恰好で…申し訳ないんだけど…」
軽くバスローブを合わせただけの
恰好で…ごめんと謝りつつ。
彼に用意していたプレゼントを渡した。