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12歳年下の彼のお誕生日の話
第3章 2024年7月7日

いよいよ今日は…って思うと…
ドキドキとしてしまって。
ここに来た時は緊張してたのだけど。

美咲サンが選んでくれた
リラックス効果の高いハーブティーと
アロマの香りのフットバスで
緊張が大分…解れて来ていて。

ヒーリングミュージックの流れる
施術室の中も…アロマの香りがする。

そして…美咲サンの声…を
聞いていると…自然と身体の力が抜けて
リラックスしてしまっている。
巴姉サンも…美咲サンの声を聞いていると
気持ちが落ち着くと言っていたけど…。
美咲サンの声は1/fゆらぎの声の
癒やしボイス…なんだろうなって思っている。

サロンのお客さんに、美咲サンとの
会話を楽しみに来ている
リピーターさんもいるとか…なんとかで。

ふぁ……とあくびが出てしまっていて、
施術が始まって20分もしない内に
葵はふわふわとした夢の国に
旅立ってしまっていた。


ーーー
ーー


『……――な…さ…ん…』

何だろう…遠くで何か…聞こえる…。

『……び…な…さ…ん……?』

あれ?もしかして

私…誰かに呼ばれてる?

ゆっくりと…海の底から

意識が…浮かび上がって来る感覚。


『蛯名さん?…蛯名さぁ~ん?
施術…終わったわよ?起きて頂戴?』


ガバッ…っと葵が身体を起こすと
ニコニコと笑顔を浮かべている
美咲サンの姿があって。

『すっ、すいま…せ…ん、
気持ち良すぎて…眠ってしまって…ました。
あ、…、ありがとうございます…』

『じゃあ、自分の服に着替えて来てね?
お手洗い、行きたかったら
メイク始める前に行って来てね?』

お手洗いを済ませて着替えをすると、
施術室から女優ミラーのある
パウダールームへと案内される。

『千冬はちょっと…
こっちに来るのが遅れるみたいだから。
ベースの部分だけ…私がするわね?』

コンシーラーとベースカラーで
くすみや…顔のそばかすを
綺麗にしてくれて。
丁寧に…肌の難点を隠してくれる。

その上からリキッドのファンデを
重ねて行くと、パール入りの
フェイスパウダーで仕上げると
ハイライトを入れてくれる。
仕上がったベースメイクの上から
シュー――っとスプレーをされて。


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