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第5章 ７月７日　PM編

ツバメの巣とか…ふかひれみたいな…
そんな感じなのだと考えたら
２０００円は逆に安いのかも知れない。

運ばれて来たのは
黒こげみたいなウミヘビの
ぶつ切りが入った汁が
ドンブリに入っていて。

具材はぶつ切りのウミヘビの他に
大胆なサイズ感に結び昆布と大根と
テビチが一緒に入っている。

「わぁ…、それが無かったら美味しそう…」

黒くなった燻製にされたウミヘビは…
鱗が見えていてヘビーと言う
主張が見た目からしていたので、
流石に本体を食べてみる
勇気は備わってないので。
レンゲでスープだけをちょっと
味見をさせて貰って、結び昆布を１つ貰った。

「んんん～？？あっ、これ…
凄いっ…、美味しいっ…」

『匂いは…上等な鰹節みたいな匂いですね…』

ちょびっと…端の方を彼がかじっていて。

『ああ、味も濃厚な鰹節の匂いがする
鶏のささ身…をジャーキーにしたみたいな感じ…』

濃厚な鰹節の匂いがする
ささ身のジャーキーなら…美味しいのでは。

「美味しいって事？」

『はい、これでラーメン作ったら
全然…都会でもやっていけそうです』

『イラブ―そばも…人気あるよ』

この汁に沖縄そばの麺を合わせた
イラブ―そばも人気なのだそうだ。

お刺身で食べたらちょっと
ぼやけた感じだった夜光貝も
バター焼きにしたら、その
淡白な物足りなさをバターが
綺麗にカバーしてくれて、
絶品なおつまみになって。

オリオンビールのお代わりが進んで、
私はタンカンチューハイが
美味しくてそれを途中から
そっちばっかり飲んでたんだけど。

お酒飲んでるからなのか…
それとも…、イラブ―の効果なのか
身体が…熱くなって来て。

上に羽織っていたかりゆしシャツを
脱いで、ワンピースだけになって。

グルクンの唐揚げは…前にも
沖縄に来た時に食べて美味しかったから
絶対来たら食べたいって思ってたので。
間違いのない…美味しさで…
更にお酒が進んでしまう味で。

最後にミーバイのマース煮が
テーブルに届いて。

ハタの仲間なので味は美味しくて。
全部美味しく完食させて貰った。

帰り道に…来た道を戻りながら、
国際通りから外れれば
途端に人通りは少なくなって、
周囲には誰も居ない状況になる。