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12歳年下の彼のお誕生日の話
第6章 7月7日 夜編

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兵庫県 舞子ビラ神戸

小林&葵side


感情が昂ってしまって、
泣き出してしまった葵を見て、
小林が葵の身体をぎゅっと抱きしめて。
よしよしと…落ち着かせる様に
葵の頭を撫で続けた…。

『ずっと…立ちっぱなしでいるのも
僕も、蛯名さんもしんどいから
あっち…ベッドの端…座ろう…?』

ね?と…葵の耳元に囁き掛けると
まだ泣き止んでない…葵が
自分の顔を手で覆いながら
こくん…と首を縦に振って頷いて。

顔を手で覆っている彼女を
歩行介助するみたいに身体を添えて
ベッドの所まで導くと、
ここにベッドがあるよ…と
葵に教える様にしてその手で
ベッドを小林が触って確かめさせた。

自分が先に座って、自分の隣に
葵をエスコートして座らせると
そのまま背中に腕を回して
上下にゆっくりと擦る。

『葵さん…だけ…ですよ…、
こんな風に…僕の為に…
泣いてくれて…涙を流してくれるのは…』

『うひゃあああぁ~ぁあっ!!!!
いいいいっ、いま…今ぁ…
葵って…言いませんでしたか?』

葵の声は元々良く通る
声質をしているので、
そんな大きな声で叫ばれたら
もしかしたら隣に聞こえてるかも…と。

『あ、葵さん、しっ…、静かにして…
もう…こんな時間だから……
寝てる…他の人の…迷惑になっちゃう…』

『だッ…だって…こっ小林サンがッ…』

ううんと小林が首を横に振って、
自分が葵の事を苗字の蛯名ではなくて
葵と名前で呼んだのだから、
葵にも…自分を下の名前で呼ぶ様にと
そう言う意味の否定のサインで。

『だ…だって…っ、そ…壮太サンが…ッ』

『葵さんの事……大事にします…から…』

ガシッと…小林の両手が
葵の両肩を掴んで来て
そのまま…後ろにあるベッドの上に
ボスッ…と…身体を倒される。

座ったままの体勢で…
上半身がベッドの上に寝ている状態で
葵は下から小林を見上げていた。

『葵さんの…事…、全部…
僕の物…に……してしまっても…良いですか?』

『なッ…、何を言ってるんですかッ…
もう…ずっと、…ずっと…あの時から…
あの…最初に……小林…、そ、壮太サンに
出会った…あの時から…ずっと…、
私は…全部…。壮太サンの…です…よ…?』



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