この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
処女(はじめての)浮気/お持ち帰りされた若妻
第3章 ワンナイトラブ

駅前のビジネスホテル。
フロントの視線を避けるように、ふたりは並んでエレベーターに滑り込んだ。
押されたのは「5」のボタン。
沈黙のまま上昇する箱の中、かすかな吐息だけが空間を満たす。
言葉ひとつないのに、これから起こることは、もう十分すぎるほど伝わっていた。
ミキがそっとレンの手を握り直す。
彼もまた、優しく、それでいて確かに握り返してきた。
その温もりが、心の奥にじんわり広がる。
(わたし……ほんとに来ちゃった)
◇◆◆◇◇◆◆◇
バタン、とドアが閉まる音が響く。
その瞬間だった。
レンの腕がミキの身体を引き寄せる。
向かい合った瞳が、そっと重なった。
「ん……」
ためらう暇もなく、唇が奪われた。
微かに香るアルコールと、熱を帯びた息づかい。
深く、激しいキス。もう、引き返せない。

