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第4章 結婚

同棲をし始めてから約9か月が過ぎた。
季節は残暑厳しい9月になっていた。

この頃になると、私の母やアキラの義母がこう言ってくるのだった。

「二人共、結婚はしないの？」

私の父もアキラの父もすでに他界していた。
アキラの父は42歳でこの世を去り、私の父は55歳でこの世を去っていた。

なので、残された両方の母たちが心配してそう言ってくれていたのだ。
私たちは実に呑気なものだった。

周りからそう言われなければ結婚など考える事はなかっただろう。
それに、アキラの田舎の幼馴染の友達の松田や紺野も同じことを言ってくる。

「アキラたちいつ結婚するんだよ？」

そう言われていたのだ。
そんな経緯から私たちは結婚を考えるようになった。

アキラからこんな事を言われたのだ。

「彩ちゃん、俺たち結婚しない？」
「え？結婚？」

「そうだよ、結婚しようよ…」
「そうね、結婚しましょう…」

「俺、彩ちゃんの事、幸せにするから…」
「ありがとう、アキラくん…」

アキラとのそんなやり取りがあり、私はとても嬉しかったのだ。