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あなただけ今晩は
第6章 赤石温泉

やはりここの宿もアルコール持ち込みはいけないのだが、アキラがビール好きだったので宿には内緒でビールを持ち込んだのだ。

そのビールを冷蔵庫に入れて冷やしている。
ビールが冷えるまでの間、ちょっと散策しようという事になった。

宿を出ると「妙蓮の滝」という滝が戸川渓谷に流れている。
それを観に行こうと思ったのだが、どうやら川を渡る橋が大雨で破損してしまい渡る事ができなかった。

仕方なく来た道を引き返し戸川渓谷の河原を散策した。
山の緑は露に輝いて見え、川は物凄く透き通っていて手で触ると冷蔵庫で冷やしたように冷たかった。

私たちは赤い水車が回る宿へと戻って来た。
部屋に戻るとアキラはビールが冷えたのを知るとそれを飲みながらまたゲームをしている。

私は、またいつもの様に直ぐに浴衣に着替えた。
この宿には女性専用の小さな内湯がある。

その内湯に入りに行こうと思った。

「アキラくん、温泉に浸かりに行ってくるわ…」
「うん、分かったよ…」

そう言うと私は部屋を出て食堂に通じる階段を下りて内湯に行った。
内湯には大きな素通しガラスの窓があり山の木々の緑が美しく見えた。

露天風呂ではないけれど、解放感を感じたのだ。
かなりゆっくりと温泉に浸かっていたと思う。

お湯から上がり部屋に戻るとアキラは浴衣に着替えてゲームをしていた。
私は暫く、火照った身体を窓際に行き冷やしていた。

すると、部屋に夕飯が運ばれてきた。

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