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あなただけ今晩は
第6章 赤石温泉

赤石温泉は赤い水車が印象的なのレトロ感溢れる山奥の一軒宿だ。
本当に山の中にポツンとある一軒宿なのだった。
ご主人手作りのこだわりの露天風呂で、他では味わえない入浴を体験できるらしい。
テレビや映画のロケでも多く使われている宿だと言われている。
泉質は酸性鉄泉で胃腸病・冷え性・神経痛・湿疹等などに効くらしい。
客室は20室程あり、60名程を受け容れる事ができる。
赤石温泉の由来はこう書いてあった。
武田信玄の時代、金の採掘のおりに水が湧きだし、飲用すると胃腸の調子が良くなり、これをお風呂に利用して疲れを癒したとされる。
温泉の効能のお陰で鉱山衆は長生きしたと言う。
その後、先祖代々が自分の胃腸病をこの湯で治し丈夫になった事から感謝の意を込めて多くの人に利用して貰おうと開湯し、源泉の成分で石が赤く錆色に染まることから赤石の湯として親しまれ、今の赤石温泉となったらしい。
この赤石温泉も日本秘湯を守る会会員の宿だった。
玄関先に大きな文字で「赤石」と書かれている提灯を見て、ちょっと早かったのだが宿の女将にチェックインして良いかを聞いてみた。
すると、お部屋の用意はできているのでチェックインしても大丈夫だと返事が返って来た。
そこで、女将にお礼を言いチェックインすることにした。
仲居さんに長い木造の廊下を歩いて案内されて部屋に通された。
そこの部屋は8畳二間になっているかなり広い部屋だったのだ。
奥の8畳の部屋にはすでに布団が2枚敷いてあった。
手前の部屋には座卓にお茶とお菓子が用意されていた。
携帯電話を見ると電話も繋がらない山奥なのだと知った。
窓からは富士川に合流する戸川渓谷が見える。

