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あなただけ今晩は
第9章 鶴の湯温泉
乳頭温泉郷の朝は、都会の8月に比べるととても涼しく感じた。
朝食はみんなと一緒に広間で食べたと思う。

どんなメニューかは覚えていなかった。
チェックアウトは10時だったのでそれまで私は温泉に浸かりに行った。

潤一夫婦や雅史夫婦は自分の部屋で帰りの荷物を纏めていた。
アキラが珍しく朝食を済ませると雅史と一緒に温泉に浸かりに行っていた。

私はゆっくりと温泉に浸かり、上がると部屋に戻り荷物を纏めた。
今日は、文恵のリクエストで鶴の湯に温泉に浸かりに行くのだ。

10時にみんなでチェックアウトをして妙乃湯を出た。
鶴の湯温泉まではそんなに距離的にはなかったと思う。

ちょっと車を走らせると着いてしまった。

鶴の湯温泉は日本秘湯を守る会会員の宿だった。
だが、余りにも人気があり過ぎて予約が取れなかったのだ。

潤一がこう言った。

「本当は鶴の湯に宿を取ろうとしたんだけど、満室でどの日も取れなかったんだ…鶴の湯ってスゲー人気ある温泉なんだな?」

確かにそうだろう。
秋田県の乳頭温泉郷の鶴の湯と言えばかなり有名な温泉宿だ。

なので、宿泊は諦めて温泉だけ浸かりに行くことになった。
入湯料は大人700円だ。

鶴の湯温泉は乳頭山(1478m)の麓の乳頭温泉郷(にゅうとうおんせんきょう)の八軒のうちの一軒で同温泉郷の中でも最も古くからある温泉宿だ。

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