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気付かされた願望〜瑞穂の場合〜
第1章 瑞穂
「ただいまー」
仕事が終わり、実家の扉を開けると母親が顔を出す。
「瑞穂おかえりなさい。夕食出来てるわよ。食べて行くでしょ?」
「いつもありがとー。甘えるわ」
そう言って洗面所で手を洗いリビングに入る
「ママ。おかえりなさい」
テーブルで宿題をしていたであろう理絵が声を掛けてきた。
今年中学にあがったばかりたが、お姉さんらしくしっかりしてきた。
「おかえり、」
息子の翔太はゲームをしながら声をかけてくる。今年小5にあがった。元気な盛りだ。

「いただきます。」
父も含め5人でテーブルを囲み他愛もない話をしながら食事をする。
仕事の終わった後のこの時間が好きだ。
食事を終え徒歩五分ほどの自宅マンションに戻る。

順番にお風呂を済ませる。テレビを見ながら少し話をしてそれぞれの部屋に戻る。スキンケアをして、眠りにつく
夫が帰って来るの月一回くらいだ。ダブルベッドに一人で寝る。
少し人肌恋しい夜もあるが子供たちがいれば頑張れる。

各月の第3土曜日と日曜日に誠司は帰ってくる。私はその日は予定を入れず彼を迎える。
基本的に土曜日の朝帰って来て日曜の夜に帰っていく。何処かに出かけたり、外食したり。
夜になり子供たちが寝ると私は必ず誠司に抱かれる。
月に一回の恒例行事だ。
夫婦であることを確認する為に身体を重ねる。
恐らく月1回のセックスが私達を只の家族でなく男女の関係の延長である夫婦として存在させているのだと思う。
彼が私に挿入し果てる事が目的のセックス。
濡らして挿入しやすくする為だけの前戯に対して私は役割として声を出す。全く気持ちよくない訳では無いが私がイク前に彼が果ててペニスは直ぐに抜かれる。満たされるはずの私の女の部分は埋まることはない。
満足し眠ってる彼の横でマスターベーションをする事も増えた。
声を押し殺し身体の火照りを抑えるためにだけに、軽くイク為だけの単調な自慰行為。得られるのは満足感ではなく虚無感だ。
それでも友達がセックスレスだと聞くと私は恵まれているのだろうと思う。
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