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高校生の性春・日記帳
第32章 2月14日(バレンタインデー)

お母さんがいなくなって、スズちゃんはアイスを食べながら遠慮のない質問を投げかけてきます。

「琢磨くんさあ、初キッスはいつ頃だったの?」

「えっ、あ、あの、いつ頃だっけかなあ……」

「ふーん、覚えてないのかぁ、経験は?」

「け、経験って、なにを?」

「だからあ、もう高校生なんだからさあ、とっくに女の子と経験済みだよね?」

僕は同級生の女の子とは経験がないし、叔母さまに童貞を奪われたなんて恥ずかしくて言えないから、童貞をよそおって言い返しました。

「僕は童貞だよ。スズちゃんは処女じゃないの?」

意外にもスズちゃんは、きっぱりと断言しました。

「私、処女だよ」

「そ、そっか……スズちゃんが処女だったら、僕が童貞だから、お互いに喪失し合えばスッキリするってことなのかなあ?」

「それってさあ、私を誘惑してるの?」

「べつに、誘惑ってことでもないけどさあ……」

スズちゃんは僕の目を見つめて、きっちりと問い詰めます。

「じゃあ、どうしたいのさ?」

「だってオレたち、もう高校生なんだから、いつまでも経験ないんじゃ恥ずかしいから……」

「うん、まあ、そうだね。高校生だもんね」

「合意してくれたってこと?」

「合意っていうかさあ……琢磨くんは、ただ童貞を失いたいだけで、好きでもないのに私のことを狙ってたの?」

「違うよ。ずっと前から、スズちゃんのこと好きだったから」

「マジで好きだったの?」

「ホントだよ」

「だったら、好きだって証拠を見せてよ」


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