この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
愛玩妃〜陛下の命令は絶対です〜
第1章 嫁ぎ先は大国カルディア
「私が、カルディアへ…!?」
思わず大きな声が出て口を思わず抑えてしまった。
「そうだ、すまんの、アウラ。
戦争をさせるためじゃ…。行ってくれるな?」
年老いた父が肩を落としてそう告げる。
どうやら、我が国からの輸出品に不備があり、
カルディアは軽んじられたとお怒りのようなのだ。
誠意を見せるためにと、5人いる姫のうち、相手がおらず
カルディア王の条件に当てはまる私が嫁ぐこととなったそうだ。
「侍女の1人もつけてはいけないなんてひどいよ!」
姉のターニャが憤慨している。
「…仕方ありません、我が国は小国です。言うことを聞くほかありません。わたくし、嫁ぎます」
相手のカルディア王は、年が30代後半の方だったはず。
18歳のわたくしとはかなりの歳の差だわ。
それに、もう正妃と側妃も数名いたはず。
式典で、小さい頃1度訪問したことはありますが、
はっきりと王を見ることはできなかったのよね。
いったい何が目的なのかわかりません。
しかし、戦争になるかもしれないと思えば
この身一つで済むのであれば本望です。
いざ、帝国カルディアへーー。