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愛玩妃〜陛下の命令は絶対です〜
第1章 嫁ぎ先は大国カルディア
皇宮へ辿り着くまで、国を出て1週間。
さすが、大国です、ワープゲートまで使用させてくださるとは。
我が小国とは比べものにもならない、
大きな皇宮に思わず息を呑みました。
「アウラ様。皇宮へ着きました。お手を。」
ずっと護衛をしてくれた騎士へお礼を言う。
「いえ」
差し出された手をとり、降り立った。
そこには、数人の使用人と思われる方々が待っていた。
順に自己紹介を受ける。
執事のジェイソン。
侍女長のマール。
2人とも真面目な性格なのか、キリッとした表情が崩れない。
微笑んで私も挨拶をしたが、よろしくお願いします。と事務的に
返されてしまった。
我が国の様に、フレンドリーに接するのは難しいわよね。
2人の案内で、皇宮の割り当てられた部屋へと向かう。
割り当てられた花百合の間と呼ばれるそのお部屋はとても広かった。
ゆったりと過ごせる場所の奥にもう一つ部屋があり、
そこがベッドルームとなっているようだ。
そこに、さらに扉がいくつかあり、お風呂に繋がっているドアや
お手洗い、そして、もうひとつは、「今はお伝えできません。」
と言われた。
どうしてかしら。まぁ、必要な時に話してくださるのでしょう。
それにしても、すごくお風呂もベッドルームも大きいのね。
「あの、陛下にはいつお会いできるのかしら。
ご挨拶を、させて頂きたいのだけれど」
「陛下は大変お忙しく、ご挨拶は3日後になりそうだと
おっしゃっておりました。
それまで、姫にはごゆるりとお寛ぎいただきたい、と。」
「そう、なんですのね。わかりましたわ。」
輿入れしたのに、お会いできないなんて少し驚きましたが
元々、歓迎されていないのでしょうね。
少し寂しいですが、大人しく過ごす他ありません。