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エリート妻色情飼育
第65章 第五十八章 井上の誓い
『抱いていいぞ・・・』
悟は井上に言ってくれた。

しかし本気に出来る訳がない。
何も知らず変わらぬ態度で優しく接してくれる上司に井上は罪悪感への見返りとして、強い忠誠を心に誓うのだった。

悟の言う事なら何だって聞くつもりだ。
春香の事を結婚するまで抱くのを我慢するよう言われても素直に従うのであった。

『お前となら俺の女を共有してもいい』
尊敬する悟が言ってくれた。

(お、俺だって・・・)
井上の脳裏に春香の顔が浮かぶ。

清楚で純真な井上の天使であった。
その天使も兄の如く慕う悟も裏切っている。

「あああっ・・いいっ、井上君ー・・・」
今、現実に裕子と繋がっている。

自分のような卑劣な男はいないだろう。
悟に対する罪の意識が裕子に打明けさせた。

「あ、あの人らしい・・あんっ・・・」
女の爪が井上の背中で踊る。

「で、でも・・本気かもしれない・・・。
そ、それくらい・・い、何時も井上君の事。
ほ、誉めて・・あうっ、いるもの・・・」

井上は感動していた。
尊敬する悟への裏切りが心を駆りたてる。

婚約者への裏切り行為がかえって井上に倒錯した想いを喋らせるのだった。

「お、俺だって・・専務が好きです。
尊敬してます。
本当です・・・。

は、春香さんを・・・。
春香をあの人に差し出してもいい位・・・」

その時、裕子の瞳が妖しく光った。

「んふふふ・・・
嘘よ、そんな事出来る訳ない・・・」

自分の卑怯さをあざ笑われているような気がして、井上はムキになって叫ぶのだった。

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