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エリート妻色情飼育
第73章 第六十五章 本心
『ごめんね・・・』
裕子の両手が顔を挟むようにして覗き込んでくる。

『ん・・・』
軽くだが唇に触れた柔らかな感触が嬉しかった。

『だって・・本気になっちゃいそうで・・・』
小さなキスを繰り返しながら囁きが続く。

『怖かったの・・・』」
最後の言葉の後、ネットリと舌が絡んできた。

『んっ・・・んふぅ・・・』

(ゆ、裕子・・さん・・・)

社長室のドアが開かないか不安になりながらも、誘惑に負けた男は裕子の唇を貪っていく。
ピチャピチャと曇った音が秘書室に響いている。

婚約者の春香は研修で一日不在と聞いていたが、もしもこの場面を見られでもしたらと更に罪悪感が増すのだった。

『私も・・愛してます・・・』
長いキスの後、オデコをつけるようにして囁いた。

『大好きよ・・井上君・・・』
『裕子さん・・・』

再び唇が重なり激しく舌を絡ませ合っていく。
二人の両手は互いの背中を泳ぎながら引き寄せる。

『ふふ・・言っちゃった・・・』
男の肩に顎を乗せ、嬉しそうに呟いている。

それは裕子の本心だった。
罠にかけるために井上を誘惑したのだが、純情な心をいたぶるうちに本気で好きになっていたのだ。

それでも悟や幸造への愛と忠誠は変わらない。
二人の奴隷である幸せを捨てる気持ちは無いのだ。

春香と井上を夫婦として奴隷にする。
悟と孝造の企みに裕子もゾクゾクしていた。

裕子にとって春香も井上も可愛い恋人なのだから。
二人を共に愛している。

そして。
三人で「御主人様達」の奴隷になるのだ。

『愛してるわ・・ボウヤ・・・』
囁く裕子の瞳が妖しく燃えていくのだった。
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