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秘密の花園
第6章 旅立ち
暫く珍しいお菓子や果物を食べたり
町の暮らしについて
ラディンとお話した。
「もう大分近づいて来ました。
城と言っていましたが
実は屋敷の様なものです。」
ラディンは恥ずかしそうに言った。
「侍女やお手伝いもいません。
私達は王族でありながら代々皆様とは距離を置いて生活してきました。」
『何故なの?王族なら他の方々の様に城に住むことだって出来ますのに…』
「私達は古からこの力を司る立場に置かれています。
他の王族方が力の扱いに困った時
あってはならないことですが
万が一裏切り者が出たときなどの為に
私達は皆様とは違う所で力を高めています」
『それでラディンが私の教育係になったんですね
あ、じゃあラディンのお父様は国王陛下の?』
「そうです。わたしの家は代々王家専属の教育係を仰せつかっております。」
『そうでしたか。
それにしても、私にはまだ信じられません。
先日見た炎がラディンの力なのでしょう?
私は何も出来ませんよ?』
「最初は皆同じです。私も随分修行したんですよ。」
『私に耐えられるかしら…』
「シルク様は潜在的に凄く大きな力をお持ちです。
私など直ぐに追い抜かれてしまいますよ」
にこやかに語るラディンとは対称的に
私の気持ちは不安でいっぱいだった…