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秘密の花園
第2章 黒い使者


彼女たちに周りを囲まれるように付き添われ

城から出ると庭に向かう。

『どこまで行くのですか?』

「式場はこの庭の中にあります。どうぞ足元にお気をつけて…」

真っ黒のロングドレスは確かに歩きにくいが
今日はヒールの無いサンダルの様な履物なので幾分楽に歩ける。

きれいに手入れされた薔薇園のなかを進んでいくと
蔓薔薇がアーチ状になっている所に着いた。

アーチを潜り抜けた先に地下へ降りる階段が地面にぽっかりと穴を開けていた。

「この階段の先が式場になります。
この先は姫が御一人で。」

『ちょっと…私、何にも解らないのに
独りで行くの?
この先はどうなってるの?』

さすがに不安になって聞いてみた。

「申し訳ございませんが、私共はこれ以上は存じ上げません。」

そう言って最後まで無表情だった彼女達は
薔薇のなかに消えて行った。


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