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秘密の花園
第2章 黒い使者
「お支度をしながらご説明させていただきます」
『わかりました』
私は嫌々ながらも支度を彼女たちに任せて
話を聞いた。
今日の儀式は王族に古くからある
伝統的な式であること
儀式場で見聞きしたことは
たとえ親兄弟にも口外してはいけないこと
そして…
「それではこれを」
彼女は仮面を私にも着けさせた。
鼻から上はほぼ隠されている。
「これも儀式の装束の一つです。
けっして外すことは許されません。
また名を名乗ったり
自分の素性を明かすことも禁止されています」
何やら大変な儀式らしい。
気が重いが陛下の命に背くわけにはいかない。
私は彼女たちに促されるままに
部屋を出た。