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えっちなBL短編集
第4章 エドガーの裏の顔[サイコxアスペ]
「じゃ、教えてやる。友達だからな」

ま、本気で友達なんて思ってねぇけど。
人を喜ばせるのに長けた口は思ってもいないことでも次から次へと口に出る。シヴのことがだんだんとわかってきた。

いつでもどこでも自分の世界に行き、汚れとは無縁のまま真っ白で一人美しい。誰とも関わってこなかったからこその個性だろうな。

「…エドガー、無視して気を悪くさせて悪かった」
「はっ?いや、別にそんなこと気にしてねぇよ。チェスのこと考えて聞こえなかったんだろ」
「……」
「俺もお前の都合とか考えずに喋りかけて悪かった」

シヴは何も言わずにシーツを見つめる。長い前髪で表情が読み取りにくい。聞いてるのか。

「聞こえてはいる…。でもあんたが次から次に喋るから答えられない」

ボソボソと喋って説明する。無性に虐めたくなる。今は我慢だ。ああでも昨日はよく喋ってたな、喘ぎながら“エドガー様”って。思い出すと虐めたくなる。

「…目を合わせられないのも?」長い前髪を横に流す。

「っ!」

驚いたシヴはビクッと肩を揺らす。抵抗しないが、目は合わない。触られるのは嫌じゃないのか。

「シヴ、イケてんだから前髪いつも上げてろよ」
「嫌だ」
「何で?」
「…」

顔を振って、俺の手から離れる。その態度にカチンと来た。何嫌がってんだよ。

「っ、えど」

押し倒して、奴の上に跨る。細い手首をシーツに縫い付け、シヴの目を見つめる。一瞬だけ、目があったが、すぐに逸らされた。

「まずは目を合わせるところから始めようぜ。俺の目10秒見ていられたら離してやる」

力じゃ俺の方が勝っている。抵抗しようが逃す気はない。しかし、シヴは瞬きの数を多くしただけで抵抗しない。

1、2、3、4、5…

「っ、もういいだろ、遊びもここまでだ、家に返せ」

「へいへい、ちゃんと家まで返してやるよ」

掴んでいる手首から心拍数がわかりやすく聞こえる。酒なんて飲んでないのに顔が真っ赤だ。面白いな、本当に。せいぜい俺が飽きるまで楽しんでやる。
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