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えっちなBL短編集
第5章 神様の生贄になった子供達
「はっ…はぁ…っ、」
力が抜け、梔子の上から退く。肩を震わし、ナカから漏れる感覚に耐える。
「はぁ…、絶対に離さないよ」
毎日こんなことをしていたらおかしくなりそうだ。
俺は葵兄さんとそんなことをしたいと思ってなかったはずなのに…。
「本当にそうかな?君は心のどこかで望んでいたんじゃないのかい?」
梔子は俺の心を見透かしたようにそう言った。
「…そうなのかな…」
葵兄さんはいつだって完璧で優しくて、かっこいい、自慢の兄。
「ふふ…何されてもいいなんて妬いちゃいそうだ」
一方その頃…現実世界では
僕の弟、柊が行方不明になり1週間が経った。
ニュースで報道され、地域住民の手伝いもあり大掛かりで彼を捜索したが未だ見つかっていない。僕も夜通し探したが見つからなかった。
…現在時刻午前2時、彼が心配で眠れない。どうか早く帰ってきてほしい。
「…葵お兄ちゃん」
ソファに座っていると紅葉がぬいぐるみを抱えてやってきた。
「紅葉、君も眠れないのかい?」
紅葉は小さく頷き、僕の横にくっついた。悲しいのは僕だけじゃない。彼女もそうなんだ。紅葉の頭を撫で慰める。
「…柊、いつ帰ってくるの?」
「きっとすぐに帰ってくるよ」
悲観的になってはダメだ。希望を持って彼の帰りを待とう。
「葵お兄ちゃん」
「ん?」
「あの時、どうして柊を1人で行かせてしまったの?」
「えっ」
「柊が蛇に狙われてるって知ってたのに。どうして行かせてしまったの?」
得体の知れない恐怖を感じ、彼女を突き飛ばしてしまった。
「痛っ、どうしたの?なぁに?」
「紅葉、大丈夫?ごめん、突き飛ばして…」
「…だいじょうーぶ」
ニヤニヤと笑う紅葉にゾッとする。本当に彼女は紅葉…?
「そんな目でみないで?葵お兄ちゃん。んふふ」
「…何がおかしいの?」
「何がおかしいの?…んふふっ!何もかも…!」
紅葉は顔を赤くして、笑った。上目遣いで真っ赤な目が僕を捉える。その姿を見て察してしまった。
すでに紅葉が蛞蝓に喰われてるってこと。
→紅葉編に続く