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第26章 LOVE Lesson２ Ｈ

「ぶっ！！」

ヤナセの低い声が鼓膜をくすぐって、お茶を飲む前から噴き出してしまう。

「大丈夫ですか？」

「はい！  こんな風にお茶を飲んだことがないから、上手く飲めるか緊張しちゃって！」

一応自分の状態を伝えてみると

「ご安心下さい……先ほども言いましたように……ゆっくりとお口の中に注いで参りますので……」

「そう……ですか」

言っていることは変じゃないのにヤナセに言わせると、お茶すらもアダルトな感じになってくるのは何故だろう？？

そしてやっぱりやめる気がないヤナセに、腹をくくろうと覚悟する。

噴き出すのだけは気を付けないとよね。

唇を少し開いて、目線を湯飲みに落と
す。

お湯の温度で温まった器が唇に当り、薄皮越しに熱が伝わってきた。

黄緑色の液体が少しづつ……

口の中に注がれる。

「ん……ぅ……」

「慌てず……ゆっくりと飲んで下さい……」

「はっ……んっく……」

意識しながら喉を動かして、お茶を食道に流し込んでいく。

ヤナセは絶妙な液量を口に含ませてくるけど、普段は何の気なしに飲んでいるのに人に飲ませて貰うのが、こんなに大変だと思わなかった。