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ラブカルチャースクール+α
第26章 LOVE Lesson2 H
あぁ、いい香り――――はっ!
やだ、今のわざとやったみたいに思われていないかしら――――。

うっかりヤナセの匂いに酔いしれそうになるところで、我に返る。

「す、すみません」

「いえ……ゆっくり進んで参りましょう」

直ぐに謝ったが、これくらいヤナセには想定範囲のように、崩れかけた膝を立て直してくれた。

まぁ原因を作った張本人でもあるしね――――。

ヤナセに支えられたまま、よたよたと歩いて、ようやく控室のソファーに辿り着く。

ソファーに腰を掛けると、妙な安堵感が込み上がってくる。

私から手を離したヤナセは、優しく微笑み掛けてきた。

「お飲み物……ご用意いたしますね」

「ありがとうございます」

はぁぁぁ――――終わった~。

正直凄く疲れているけど、達成感は十分だ――――。

今日は自分を褒めてあげたいくらい、頑張ったと思う。

ご褒美に、ちょっとお高いスイーツとか食べたい気分だけど、家に帰ったら即寝落ちしそうだろうな。

気が緩んで少し寝惚けた頭でそんなこと考えていると、目の前にミルキーな飲み物が現れた。

「お待たせ……しました」

これは――――。

「チョコミルクです……」

「アイスココアじゃなくて?」

「クス……似たようなものです」

「ありがとうございます。頂きます」

「はい……」

なんで『チョコミルク』なのかは分からないけど、ちょうど甘いものを欲していたから、ちょっとドキッとしてしまった。

やっぱり心の中、読まれているのかもしれない――――。

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