この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
unbalance
第15章 退勤



 相馬は何も言わなかった。
冷たい目で私を見下ろしていた。
怒ってる。

そりゃそうだ。
勘違いさせてこんなに悩ませて、今さらそれが無意味でしたなんて。
そのうえそれを伝える前に、真っ当に処理しようとした相馬を詰ってしまった。
怒るのも無理はない。
嫌われても仕方ない。



「嫌だったわけじゃない、の」

 相馬が静かにそう聞いて、私は顔を上げた。



「うん」

「じゃあ」

 信じてくれたのか。
一瞬そう思った。
大きな間違いだった。



相馬が、袖を掴んだ私の手をさっと振り払って、そのままその手で私の手首を掴んだ。
ぐいと体を近づける。
手首が捻れて一瞬痛みを感じる。

相馬の予想外の行動に、私はされるがままだった。



「今からうち来る?」



 相馬の口元はいつも軽薄な冗談を言うときのようにへらへら笑っていて、けれどその目は暗かった。


/264ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ