この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
unbalance
第18章 嘘



 別に、いいじゃない、と、本当は言ってやりたかった。
恋人でも、好きな子でもない、身体だけの関係の女に、すぐ消える傷を作ったぐらい、大したことじゃないよ。
心から、それで相馬が慰められるならそう言ってあげたかった。

相馬がそんなことで慰められるわけがないこともわかっていたし、
私にとっては嘘偽りのない本音だけれど、客観的に聞いたら自虐的に聞こえることもわかっていた。
自分が言葉が下手なのはわかっている。
相馬に上手く伝えられるとは思えなかった。



「とりあえず……続き、していい?」

 私にできるのは、会話を畳むことぐらいだった。
相馬が素直に目を閉じる。
無防備に私に顔を差し出す。



 ――もし彼を慰めるキスをできるのが、私なら、よかったのに。



 私はチークのついた指で、彼の冷たい頬にそっと触れた。


/193ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ