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第22章 本心



 ハードルを下げるとかじゃなく、苦手なのは本当だった。

苦しいし、不味いし、疲れるし、なんかおなか壊しそうな気がするし。
今までの恋人にも、頼まれない限りしなかった。

自分からすると言ったのはこれがはじめてだ。



 それでも、今日ばかりは仕方がない。
自分がどうこうされる前に、相馬をどうこうしてしまえば、これ以上醜態を晒さずに済む。



「い……いくよ」



 いきなり咥えるのは憚られて、まずは舌をちょっと出して、先っぽを舐めてみる。
ねばねばの液が糸を引いた。
これは私の唾液じゃない。



 ……期待するなって言ったのに。



 少し、ほんの少しだけ――嬉しい、と思ってしまう。
そんな自分にまったく呆れる。

自分に言い聞かす。男ってこういうもんなのだ。相手が女なら誰でも、好きな子じゃなくてもこうなるのだ、と。



 飴を舐めるように先っぽをちょっとだけ口に含んでちゅっと音を立てて離す。

先端の出っ張った部分のまわり、くびれたところを舌でなぞり、それから裏側に、先っぽから根元まで一直線にキスをして、その下の柔らかい房にも一段と優しく気遣いながらキス。


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