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unbalance
第3章 夜道
「二時間かあ……」
ちょっと長いな、と思ったけれど、
「もう服びっちょびちょなんだから、そのまま乾かすか、洗って乾かすかの違いだよ。だったら洗いたいだろ」
「……お言葉に甘えます」
今日は世話になりっぱなしだ。
「ごめんね。ありがとね」
「いいって」
洗濯機の使い方を教えてもらって、じゃあごゆっくり、と相馬が洗面所の扉を閉めると、急に静かになった気がした。
さて、と。
今さらながら……来ちゃったなあ、相馬の家……。
ていうか、お風呂まで入るの?
それって、どうなの?
相馬は何とも……思ってなさそうだったな、と、ちょっと落ち込んでいたら、ドアの向こうから盛大なくしゃみが聞こえた。
落ち込んでいる場合じゃない。さっさと入ってさっさと出よう。
私は服を脱いだ端から洗濯機に突っ込んで、生活感のあるお風呂場に足を踏み入れた。