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第23章 口元



 抵抗の言葉を吐く暇もなく、相馬は私のおなかの横に膝をつき、太ももに腕を回してその間に頭を入れた。

「……そっ……ま……!」

 来る、と思った場所に、来ると思った感触が、来る。
相馬が、ぐしゃぐしゃに水分を吸って肌に貼りついた布地に、口元を埋める。



「だ、め、ストップ!」

「どうして?」



 相馬がちょっと顔を上げて、肩越しに私を振り返る。
湿った口まわりを、舌を出して舐めとる。

やめて、そんな、せめて見えないようにしてよ、
いや、見えなければいいというわけではないけれど、



「だって……汚い……」

「俺が綺麗にしてやるから大丈夫」



 何も大丈夫じゃない言葉とともに、相馬が私の腰を持ち上げて、下着もいとも簡単に抜き取った。


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