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第23章 口元

　混乱している隙に、口の中に舌を突っ込まれる。
口と下と一気に侵されて、私の理性はぐずぐずになる。
本能的に舌を伸ばす。
相馬の舌がそれを優しく受け止める。



「可愛い」

　相馬が同じ言葉を繰り返す。
真に受けてはいけないとわかっているのに、意に反して勝手に体が喜んでしまう。
彼の指を締め上げる。

私の息が相馬の口の中に飲み込まれる。
相馬の荒い息も、私の中に流し込まれる。



「霧野、入れたい、」

　無意識に相馬に押しつけるおしりの感触で、そう言われるのはもうわかっていた。
相馬の熱い視線に、私はもう何も考えられず、ただ頷いていた。