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unbalance
第23章 口元



 相馬がもう片方の手を、私の前から下に伸ばす。

支えるものがなくなって、私が洗面台に両手をつくと、相馬は私の敏感なところをぬるりと指で撫でた。



「ごめんね、お待たせして」

 待ってない! 
と言う余裕もなく、剥き出しの太ももを、液体が伝う感触がした。

どうして、こんなにすぐに、ここまで溢れるなんて。

相馬の指が蕾をくるくると撫で、そして、ゆっくりと一本、中に入ってきた。



「苦しい? 苦しかったら、足上げな」

相馬が優しく言って、そして口調とは裏腹に力強く、私の片膝を洗面台に上げさせた。



相馬の胸と布越しに触れ合った背中が、温かいを通り越して熱い。



相馬の指が、ずぶずぶと入ってくる。
抜き差ししたり、関節を曲げたりしながら、内壁を擦る。

「気持ちいい?」

「わ、わかんな……っ」

 それは実際、正直なところだった。
ただでさえ入れるのは苦手なのに、立ったままこんな格好でなんて、したことがなかった。
圧迫感と異物感と痛み、けれどその中に確かに、全身を巡る痺れがある。

触れてほしい人に触れられることでしか味わえない、中毒性のある痺れが。



「霧野」

 相馬が、胸を触っていた手を抜いて、私の頬に添え、後ろを振り向かせた。

「可愛い」


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