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第24章 服



 半ば走るように相馬が洗面所を出ていって、そしてものの数秒で戻ってきた。

「お待たせ」

 私は洗面台に上げた片足を下ろす暇もなかった。



相馬が持ってきたゴムの封を開け、装着し、それから、シャツを脱ぎ捨てて、流れるように、私のブラウスも脱がしにかかる。

「そ、相馬、」

「何?」

「私、も、脱ぐの……?」

「汗だくだろ」



 それは、確かにそう。だけど、

「私、そんなに綺麗な体じゃ……」



 相馬のちゃんと鍛えられている体を見せつけられてしまっては。
しかし、相馬は平然と言った。

「大丈夫、どんなかは知ってる。こないだ見たから」

「………っ」



 そう、だっけ。そうだったかも。
そうだった気もする。
酔っていたときの記憶を集中して辿れるほどの思考力はもう残っていない。


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