この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
unbalance
第25章 台詞



「……ごめん、最後……痛かった?」



 相馬が自分自身を私から抜きながら言う。
私は倦怠感で床に崩れ落ちそうになるのを、何とか洗面台に手をついて踏みとどまる。
相馬がさっと私の腰を抱きかかえて支える。
私は自分の力で立とうとする。



「大丈夫?」

 相馬が私にそう聞く声は優しくて、ああ、うん――誰にでも優しいんだ、こいつは。

 知ってたよ、それくらい。

 だって私が相馬を嫌いなのは、そういうところだもの。



 彼が私のことを好きじゃないことは、知っている。
どっかの知らない女の子に振られたばかりの男だ。
まして、私のことは、先週まで女とすら認識していなかった。
きっと彼は――盛り上がるためなら、相手が誰であれ、好きとか言えるんだ。
その場のノリとして。心のない台詞として。



 彼だって、私がわかっていることを前提に、“台詞”を口にしているはずだ。
彼が失恋直後であることを、私が知っていると、彼は知っているのだから。

だから、私は勘違いなんてしない。
馬鹿な期待をしたりもしない。
迷惑な女にはならない。

私は、ただの――セフレなのだ。彼にとっては。



 もちろん、私にその気はない。
これで最後。こんな惨めな思いは、もうこれで本当に最後だ。


/193ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ