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unbalance
第26章 コンシーラー

「ばっ……ばっかじゃないの!?」
これまでは、行き過ぎた冗談で流せていた。
今では文字通り――冗談じゃない。
よく平気で言えたもんだ、いったいどういうつもりで――、
「……そんな可愛い反応するなよ」
「は!? してないし!」
「霧野、声が大きい」
相馬に言われてはっと両手で口を塞ぐ。
相馬は頬杖をつきながら、私をにやにやと見つめていた。
「嬉しいねえ、意識してくれて」
意識とか……っ!
してないし!
っていうか、私が意識したからどうだって言うのよ、
「……ほんと、やめてよ」
冗談だってわかっているのに――言われるたび、期待してつらくなる。

