この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
unbalance
第31章 ラフロイグ



 ――ずるいよ。ずるい。

 ほんと、嫌い。

 ぜんぶわかってるくせに。
私が拒絶できないことなんてお見通しのくせに。
相馬があんな言いかたをするのは、きっと私の逃げ道を塞ぐ相馬の演技だと、わかっている。



 わかっているのに絆されたくなる自分も、嫌いだ。



 相馬についさっき触れられた手の甲を抱き締めるように、両手を胸の前でぎゅっと握った。
心臓がばくばく鳴っていた。

 お手洗いの個室で、本来の用途をこなさずただ立ち尽くす。

鼻をすするとズッと音がした。



 文句を言ってやろうと思っていた。
問い詰めてやろうと思っていた。
ありえないって言ったじゃん。あれは何だったの。
むしろ、三年前っていうのが嘘? なんでそんなバレバレの嘘つくの?



 口を開いたら泣いてしまいそうで駄目だった。



 思い返すたびにつらくなるのはわかっていながら、覚えていないと迷惑をかけてしまうから、キスとかハグとか冗談を言われる度に、勘違いしたくなってしまうから、何度も思い返しては自分に刻み込んだ、傷。



 私は、ずっと――


/377ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ